(にとをおうものはいっとをもえず)
欲張って二つのものを同時に手に入れようとすると、結局どちらも得られない――そんな戒めのことわざです。あれもこれもと手を広げてしまいがちなときに、立ち止まらせてくれる言葉です。
📖 意味(ひとことで)
二匹のうさぎを同時に追いかける者は、結局どちらのうさぎも捕まえられない。つまり、欲張って二つを同時にねらうと、どちらも失敗するということ。
一つのことに集中する大切さを教えています。
🌱 由来・語源
このことわざは、もともと西洋(古代ローマ)のことわざが、明治時代に日本語へ訳されて広まったものです。
英語では「He who runs after two hares will catch neither.(二匹のうさぎを追う者は、どちらも捕まえられない)」と言います。二匹のうさぎが別々の方向へ逃げれば、追う者はどちらつかずになって、両方とも逃してしまう――という情景から来ています。日本のことわざの中では、比較的新しく入ってきた言葉です。
🗣️ 使う場面と例文
欲張りすぎをいさめたり、一つに集中するようすすめたりするときに使います。
ビジネスでは
- 新規事業を同時に三つも立ち上げては、二兎を追う者は一兎をも得ず、になりかねない。
- あれもこれもと詰め込まず、まず一つに集中しよう。二兎を追う者は一兎をも得ず、だよ。
日常では
- 部活も受験も全力なんて、二兎を追う者は一兎をも得ずにならない?
- 一度にたくさんの趣味を始めて、二兎を追う者は一兎をも得ずになった。
⚠️ 使い方の注意
「複数のことを同時にやってはいけない」と全否定する言葉ではありません。力が分散して、どちらも中途半端になる危険をいましめる言葉です。優先順位をつけて集中する、という前向きな教訓として使いましょう。
🔁 似た言葉・反対の言葉
似た意味の言葉
- 虻蜂取らず(あぶもはちも、どちらも取り逃がす)
- 欲張りは損をする
- 花も折らず実も取らず
反対の意味の言葉
- 一石二鳥(一つの行動で二つの利益)
- 一挙両得(一度に二つの得をする)
🌍 英語で近い表現
- If you run after two hares, you will catch neither.(二匹のうさぎを追えば、どちらも捕れない)
- Grasp all, lose all.(すべてをつかもうとすると、すべてを失う)
- Don’t spread yourself too thin.(手を広げすぎるな)
英語例文:
- If you run after two hares, you will catch neither, so focus on one goal.
(二匹のうさぎを追えばどちらも捕まえられないので、一つの目標に集中しましょう。) - Don’t spread yourself too thin; choose what matters most.
(手を広げすぎず、いちばん大切なものを選びましょう。)
※ このことわざはもともと西洋由来なので、英語表現とほぼ同じ発想です。
🚩 あなたの身近なところでは
「二兎を追う者は一兎をも得ず」は、こんな場面で効いてきます。
- 仕事:同時にいくつも案件を抱えて、どれも中途半端になる。
- 勉強:複数の資格を一度にねらって、結局どれも受からない。
- 趣味:あれこれ手を出して、どれも身につかない。
👉 大切なのは「何をやらないか」を決めること。まず一つに絞って集中すれば、結果的に多くを得られます。
✍️ まとめ
- 「二兎を追う者は一兎をも得ず」=欲張って二つをねらうと、どちらも失敗する。
- 由来は西洋(古代ローマ)のことわざで、明治期に日本へ。
- 「同時にやるな」ではなく「力を分散させるな」という戒め。
- 反対は「一石二鳥」「一挙両得」。まず一つに集中しよう。
あれもこれもと欲張らず、まずは一つ。集中こそが、いちばんの近道です。
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